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新着情報

第3回バイオセキュリティ研究会を7/13に開催しました。

第2回バイオセキュリティ研究会:テーマ「生物兵器禁止条約」の会議録を公開しました。


バイオセキュリティに関する総合情報サイトです。

平成27〜29年度文部科学省科学研究費補助金基盤(B)特設分野研究(紛争研究)「グローバルな感染症等生物学的脅威を巡る新たな紛争領域の研究」(研究代表者:国立保健医療科学院健康危機管理研究部上席主任研究官 齋藤智也)が開設しています。

我々のグループは、「バイオセキュリティ」という、感染症流行などの生物学的脅威への包括的な防衛策を扱う分野を研究しています。感染症は、医学・公衆衛生学あるいは国際保健学の文脈で扱われてきました。一方で生物テロ対策・生物兵器対策という観点から、安全保障学・政治学の文脈でも扱われてきました。しかしながら、近年問題となっているグローバルな感染症への対処、あるいは生物兵器の管理、という観点から見ても、このような旧来の学問領域からは議論が逸脱しつつあります。そのため、「感染症を公衆衛生と安全保障の観点から見る」を合言葉に、バイオセキュリティという学問領域を提唱し、新たな概念整理を行っています。研究グループも公衆衛生の研究者と安全保障の研究者から構成されています。

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バイオセキュリティのグローバル・ランドスケープ (齋藤.軍縮研究 2016より)

生物兵器管理の問題は、紛争そのものと言えますが、そのランドスケープは大きく変化しています。第一に、アクターが国家から非国家主体になりつつあります。第二に、管理対象が生物兵器そのものから科学技術のデュアルユース性というコンテクストに及びつつあります。これによって、旧来の軍縮のガバナンスからは議論から逸脱しつつあり、新たな管理手法を模索している状況にあります。生命科学のデュアルユース技術のガバナンスのあり方、対策の一つとしての教育手法について、研究の重要課題の一つとしています。

バイオセキュリティ領域におけるもう一つの紛争は、病原体共有を巡る経済・外交紛争です。感染症対策の視点からすれば、感染症流行の原因となる病原体は、国際社会で迅速に共有し、診断薬・医薬品開発に還元することが利益ですが、それから得られる金銭的な利益等の還元スキームが未成熟な状況にあり、この視点が対立することで、感染症への対応が遅れることが懸念されます。このように、学問領域によって異なる価値観が互いに矛盾した解決策を提示してしまう倒錯状況の解決も研究課題としています。