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バイオセーフティ

日本国内の病原体に関する規制
厚労省ホームページ「感染症法に基づく特定病原体等の管理規制について」に情報が集約されている。

英国のバイオセーフティ情報
イギリスでのバイオセーフティに関する情報が一元化されている。

カナダのバイオセーフティ・バイオセキュリティ情報
カナダでのバイオセーフティ・バイオセキュリティに関する情報が一元化されている。
バイオセーフティのハンドブックなどへのリンクもあり。

GESTIS Biological Agents Database
ドイツが作成した病原体の取り扱いに関するデータベース。14,000種の病原体に関する基本情報とEUとドイツの取り扱いに関する規制状況の情報を集約。無料で使用可能。

 

第2回バイオセキュリティ研究会を開催しました。

去る3月15日、AP新橋虎ノ門にて第1回バイオセキュリティ研究会を開催いたしました。55名の方のご参加を頂き、活発な討議の機会を頂きました。

以下、アンケート結果を抜粋して掲載いたします。
参加者55名、回答数44名 (回答率80%)

参加者内訳

行政からも多くの参加をいただきました。前回と同様、公衆衛生関係者と安全保障関係者は概ね半々、といったところでしたが、やや安全保障関係の方が多かったようです。

全体的な感想

全体的に満足度の高いご評価をいただけたものと考えております。

いくつかコメントも紹介させていただきます。

  • 生物兵器はテロリズムだけではなく、”保有疑惑国”が10数カ国あります。含む北朝鮮。”国家”がそれを使ったり(戦争を含めて)する可能性は今後も排除できません。1975年発効時点(BWCの原点)での問題はなくなっておりません。テロリズム研究者ですが、あえて”国家”の問題を提起させていただきました。
  • officeにfeedbackします。
  • 次回の開催を楽しみにしております。
  • 今回はスライド集とかも準備していただき、助かりました。
  • なかなか得難い知識を得られ、非常に有意義でした。
  • デュアルユース対策の今後の具体的な方策について興味を持ちました。
  • BWC第8回運用検討会議の詳細を理解しやすくまとめており、今後の業務の資となるものでした。また対立の構造について図示して頂き、理解がさらに容易になるものと感じました。
  • 極めて有意義だった
  • 各公演の論点のダブりが多いように思う。条約の解説は1本で良いと思う。
  • 滞りなく会が進行し良かったと思います。運営お疲れ様でした。

第2回バイオセキュリティ研究会アジェンダを公開します。

来週3月15日に開催が迫りました第2回バイオセキュリティ研究会アジェンダを公開致します。

参加登録がお済みでないかたはこちらからご登録をお願い致します。アクセスできない場合は、ご所属、氏名を添えて以下のアドレスにメールでお申し込みください。
seminar(アットマーク)biosecurity.jp ( (アットーマーク)を@に変えて送信してください)定員(90名)に達し次第締め切ります。
申し込み期限: 平成29年3月10日金曜日 3月14日まで受け付けます。

 

 

演題1「第8回生物兵器禁止条約運用検討会議報告」

演者 礒崎 恒明 外務省軍縮不拡散・科学部生物・化学兵器禁止条約室長

BWCの枠組みでは,5年に1度,条約の運用を確認するために,運用検討会議が行われている。昨年の11月に第8回運用検討会議が開催され,会期間活動のあり方や国際協力などについて議論が行われた。しかし,西側諸国とNAM諸国,ロシアとは,条約の強化の必要性については一致するものの,会期間活動のあり方については大きく考え方が異なっており,今回の運用検討会議の期間中には妥協が成立せず,最終的にはISUの存続,スポンサーシップの継続を除き,新たな措置について合意が成立しなかった。その結果,今後の会期間活動については本年12月の締約国会合に議論が持ち越されることとなった。本研究会では,今回の運用検討会議を振り返りつつ,BWCにおける各国の主張やBWCの今後について考察する。

演題2「生物兵器禁止条約における対立構造」

演者 田中 極子 防衛省防衛研究所理論研究部社会・経済研究室 主任研究官

BWCは主文15条からなる短い条約であり、締約国による義務の履行を確認するための検証機能も常設機関も有していない。そのため、締約国は独自の脅威認識に基づく実行力強化のためのアプローチを追求している。第8回運用検討会議においては、バイオ脅威に対する各国の認識の相違が明示され、そのためにBWCの実効力強化のアプローチとしての共通認識を築くことができなかった。そこで、生命科学分野の知識や技術に対する保健衛生と安全保障という異なる視点に基づくデュアルユース・ジレンマに注目し、BWCの枠組みにおける各国の対立構造を検証する。

演題3「信頼醸成措置(CBM)の今後の役割」

演者 天野 修司 日本医療科学大学保健医療学部 助教

BWCでは、1986年の第2回運用検討会議で、情報交換によって条約の透明性を高める信頼醸成措置(CBM)の導入が合意された。CBM導入の当初の目的は、「曖昧さ、疑念、疑惑の発生の防止あるいは低減、および平和的な生物学的活動の分野における国際協力の促進」である。当時、「曖昧さ、疑念、疑惑」があると考えられていたのは、国家による生物兵器の開発、生産、貯蔵、取得などの活動であった。しかし、現在では、生命科学の急速な進展によって、技術的には、個人であっても致死性の高い病原体の兵器化が可能になっている。そのような時代の変化にあわせて、CBMの役割がどのように変わってきたかについて検討する。

休 憩
演題4「生命科学のデュアルユース性に関する議論の今後」

演者 四ノ宮 成祥 防衛医科大学校分子生体制御学講座 教授

生命科学のデュアルユース問題、特に病原体研究における悪用・誤用の問題は、2000年頃までは主に「組換えDNA手技による従来型微生物の改変が、典型的な感染症とは異なる病像を呈したり、ワクチン効果や診断技術に影響を及ぼす」といった観点から成されていた。2004年のFinkレポートの問題提起は、まさにこの点を中心とした議論であった。しかし、合成生物学やゲノム編集技術が急速に進歩する現状にあって、デュアルユース性の考え方は大きく拡大する方向にある。また、ここ数年特に問題となったGain of Function (GOF)研究については、Risk-Benefit解析のみでは論じ得ない複雑な背景があり、繰り返しの議論の末にある一定の結論は出たものの、研究の細部を評価するに当たっては不確定な部分が多い。このような現状に鑑み、本パネルでは今後の議論において考慮すべき点を提起する。

演題5「我が国における生命科学者によるデュアルユース問題認識の現状」

演者 峯畑 昌道 科学技術振興機構研究開発戦略センター フェロー

科学技術の誤用・悪用に伴う安全保障上もしくは公衆衛生上の脅威(デュアルユース問題)について、科学者の意識啓発が必ずしも十分でない事実がこれまで国際的に指摘されてきた。我が国では、日本学術会議が2013年に改訂を行った声明「科学者の行動規範-改訂版-」の中には、科学者が研究活動に際して考慮すべき事項として「科学研究の利用の両義性」が明記され、この声明を受けて、病原体研究に関するデュアルユース問題分科会が2014年に提言も発表している。本報告では、我が国の高等教育機関において、どの程度当該問題が認識されているのか、また、何が意識啓発の推進に向けた課題となっているのかを検討する。

総合討論「生物兵器禁止条約の生物兵器・テロ対策における今後の意義」

モデレーター 齋藤 智也 国立保健医療科学院健康危機管理研究部 上席主任研究官

生物兵器禁止条約という外交交渉の場は、生物兵器・テロ対策にどのように寄与してきただろうか。また、今回の運用検討会合における議論の決裂は、生物兵器・テロ対策に今後どのような影響を与えるだろうか。もし、対策の弱体化が懸念されるとすれば、我々はどのような行動をとる必要があるのだろうか。演者・参加者と共に、多様な視点から議論を深めていきたい。

生物兵器禁止条約における対立構造

研究班の研究協力者田中極子先生がNIDS NEWSに、生物兵器禁止条約第八回運用検討会議の結果を分析し、BWCにおける締約国間の対立の構造について寄稿しています。

田中極子. ブリーフィング・メモ.生物兵器禁止条約(BWC)における対立構造
-第8回運用検討会議の分析と評価-. NIDS NEWS. 2017年1月号http://www.nids.mod.go.jp/publication/briefing/pdf/2017/201701.pdf

第2回バイオセキュリティ研究会を開催します。

第2回バイオセキュリティ研究会

グローバルな感染症の脅威への対策は、伝統的な学問領域の境界を逸脱しつつある。従来は公衆衛生の問題と考えられていた感染症の流行が、いまや国家や国際社会の危機管理上の最優先課題として度々取り扱われている。他方、安全保障学・政治学の分野でも、生物兵器・テロ対策の文脈から永く議論されてきたが、現実的な対応には公衆衛生の専門家の存在は欠かせない。分野横断的にグローバルなバイオセキュリティのランドスケープを捉えることで問題を整理し、既存の学問体系を再整理して現実に即した解決を提示する新たな学問領域のフレームワークを提示していくことが本研究会の目的である。第2回研究会は、「生物兵器禁止条約」をテーマとして取り上げる。検証制度を有しない本条約は、履行の確保を促進するために、「予防の包囲網」と呼ばれる多角的な取組みを進め、概ね5年に1回の運用検討会議間に「会期間活動」と呼ばれる取組みを行い、成果を積み上げて来た。しかし、昨年11月の第8回運用検討会合では、議論が決裂し、本条約下での活動が大幅に縮小する事態となった。これまでに積み重ねられて来た議論を振り返りつつ、今後の本条約の生物テロ対策における意義を検討する。

プログラム

第8回生物兵器禁止条約運用検討会議報告
 礒崎 恒明
外務省軍縮不拡散・科学部生物・化学兵器禁止条約室長

生物兵器禁止条約における対立構造
 田中 極子 防衛省防衛研究所

信頼醸成措置(CBM)の今後の役割
 天野 修司 日本医療科学大学

生命科学のデュアルユース性に関する議論の今後
四ノ宮 成祥 防衛医科大学校分子生体制御学講座

我が国における生命科学者によるデュアルユース問題認識の現状
峯畑 昌道 科学技術振興機構

総合討論
 モデレーター:齋藤智也 国立保健医療科学院健康危機管理研究部

開催日時と場所

平成29315日(13:30~16:30
AP新橋虎ノ門 会議室 I+J
東京都港区西新橋1丁目6番15号NS虎ノ門ビル3階
アクセス(外部リンク)

参加申し込み

申し込みはこちらからお願いします。

アクセスできない場合は、ご所属、氏名を添えて以下のアドレスにメールでお申し込みください。
seminar(アットマーク)biosecurity.jp ( (アットーマーク)を@に変えて送信してください)

定員(90名)に達し次第締め切ります。
申し込み期限: 平成29年3月10日金曜日 3月14日まで受け付けます。

旧ソビエトの生物兵器プログラムの科学者が行方不明

旧ソビエトの生物兵器プログラムに関与していた科学者が行方不明となっており、インターポールが指名手配している、と英国のmail onlineが報じている。

Ilya Drozdov氏は、生物兵器プログラムが行われていたベクター研究所長を5年間務めていた。

Biological weapon terror fears after Russian scientist in charge of producing Ebola and smallpox for the Kremlin disappears

  • Professor Ilya Drozdov, 63, has knowledge of Moscow’s bio-warfare secrets
  • He has been put on Interpol’s wanted list after vanishing without a trace
  • For five years he was head of research centre Vector, in Koltsovo, Siberia
  • Vector holds one of only two sources of smallpox in the world 

Read more: http://www.dailymail.co.uk/news/article-4140268/Russian-scientist-Ilya-Drozdov-disappears.html#ixzz4WjOJ9Xib

 

(事前告知)第2回バイオセキュリティ研究会の開催について

明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

遅ればせながら第2回バイオセキュリティ研究会を以下の要領で開催予定です。

日時:平成29年3月15日水曜日午後
場所:虎ノ門周辺会議室
テーマ:生物兵器禁止条約

準備が整い次第、本ホームページ等で詳細を告知、参加受付を開始する予定です。もうしばらくお待ちください。

保健医療科学特集CBRN(化学剤,生物剤,核・放射性物質)テロに対する公衆衛生対策の進展

国立保健医療科学院の発行する雑誌「保健医療科学」にて「CBRNテロに対する公衆衛生対策の進展」を含む最新刊が発行された。全文がフリーでpdfダウンロードが可能である。

生物テロ対応についても、炭疽菌対応、サーベイランスについて言及がある。

『保健医療科学』  第65巻 第6号 (2016年12月)
特集:CBRN(化学剤,生物剤,核・放射性物質)テロに対する公衆衛生対策の進展
http://www.niph.go.jp/journal/data/65-6/j65-6.html

巻頭言 CBRN(化学剤,生物剤,核・放射性物質)テロに対する公衆衛生対策の進展
齋藤智也
CBRNテロ対策の動向〈解説〉
田村圭
マスギャザリングにおける感染症強化サーベイランス:伊勢志摩サミットの経験と今後〈総説〉
神谷元,蜂巣友嗣,藤谷好弘,松井珠乃,大石和徳
炭疽菌による生物テロへの公衆衛生対応〈総説〉
齋藤智也,石金正裕,大曲貴夫,小林彩香,松井珠乃,奥谷晶子,森川茂
伊勢志摩サミット2016における化学テロ対策の経験と今後の課題〈解説〉
水谷太郎,黒木由美子,?田薫,三瀬雅史,郡山一明,井上貴昭
放射性物質テロへの公衆衛生対応〈総説〉
山口一郎
地方自治体の危機管理─市民を護るために─〈解説〉
郡山一明

日本生命倫理学会 シンポジウムIV 「GOF研究とその倫理」

平成26年12月3~4日に開催された日本生命倫理学会で、本研究班の研究員も参加して「GOF(Gain-of-Function, 機能獲得型)研究とその倫理」のシンポジウムが開催された。防衛医科大学四ノ宮教授、九州大学河原先生がオーガナイザーを務められ、各人15分程度のプレゼンテーションの後、30分の総合討論が行われた。GOF研究に対するこれまでの議論と政策が紹介された後、公衆衛生学的意義、安全保障上の意義、科学倫理の観点からの考察が述べられ、軍事から科学技術開発、規制等多角的観点からの議論が展開された。

四ノ宮成祥 「GOF研究問題のこれまでの経緯と議論」
齋藤智也「GOF研究と公衆衛生上の感染症対策問題」
田中極子 「GOF研究問題に対する安全保障上の取組み」
吉澤剛 「GOF研究から考える研究のGOF」

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