馬痘ウイルス合成のリスクと利益の総体的な評価

馬痘ウイルス合成についての論文が出版されたという記事を以前ブログで紹介した(関連記事は、こちら)。その論文の内容をもとに、馬痘ウイルス合成のリスクと利益を総体的に評価した論文が、mSphereに掲載されている。

mSphereの論文では、全米アカデミーズが作成したフレームワークを使って、悪意あるアクターが、馬痘ウイルス合成の技術を使用する可能性について分析している(関連記事は、こちら)。

A Holistic Assessment of the Risks and Benefits of the Synthesis of Horsepox Virus

mSphere Wednesday, March 7, 2018

http://msphere.asm.org/content/3/2/e00074-18#sec-3

IMVAMUNE、フェーズⅢの臨床試験

ババリアン・ノルディック(Bavarian Nordic)は、天然痘ワクチンIMVAMUNEの安全性と効果を確かめるためのフェーズⅢの臨床試験に成功したと発表した。すでに米国でライセンスを取得している天然痘ワクチンACAM2000は、アトピー性皮膚炎やHIVの患者には使用することができない。しかし、IMVAMUNEは、そのような患者にも使用できる可能性があるといわれている。

USAMRIID-Bavarian Nordic Smallpox Vaccine Phase 3 Study

Global Biodefense Monday, February 19, 2018

https://globalbiodefense.com/2018/02/19/usamriid-leads-successful-smallpox-vaccine-study/

機能獲得型研究についての論文

2017年、米・保健福祉省(HHS)は、パンデミックの潜在性がある病原体(Potential Pandemic Pathogen:PPP)を用いた研究に資金を提供するための新たな枠組みを打ち出した(関連記事は、こちら)。

その新たな枠組みについての論文が、「Bulletin of the Atomic Scientists」に掲載されている。 論文は、新たな枠組みには研究のリスクと利益を評価するための合理的な原則が含まれているものの、適用範囲や用語の定義など、改善するべきところがあると指摘している。

New pathogen research rules: Gain of function, loss of clarity

Bulletin of the Atomic Scientists Monday, February 26, 2018

https://thebulletin.org/new-pathogen-research-rules-gain-function-loss-clarity11540#.WpR9WSifPiQ.twitter

米・ブルー・リボン検討会、予算改革の必要性を訴えるレポートを公開

米・バイオディフェンスについてのブルー・リボン検討会(Blue Ribbon Study Panel on Biodefense)は、予算改革の必要性を訴えるレポートを公開した(関連記事は、こちら)。現在、米国では、無数の機関が、バラバラにバイオディフェンスの予算請求を行っている。レポートは、予算の統合によって、包括的な戦略にあわせた投資が可能になると指摘している。

Budget Reform for Biodefense: Integrated Budget Needed To Increase Return On Investment

Blue Ribbon Study Panel on Biodefense, February 2018

http://www.biodefensestudy.org/Budget-Reform-for-Biodefense-Feb-2018.htm

米・2019年度ヘルス・セキュリティ予算

2018年2月12日、米・トランプ政権は、2019年度の予算教書を連邦議会に提出した。ジョンズ・ホプキンズ大学のヘルス・セキュリティセンターは、その予算教書のなかのヘルス・セキュリティ関連予算についての速報を出している。

もっとも大きな変化は、戦略的国家備蓄(SNS)プログラムが、保健福祉省(HHS)の疾病対策予防センター(CDC)から事前準備対応次官補局(ASPR)に移されたことによる予算の変化である。

その他、昨年12月に新設された国土安全保障省(DHS)の大量破壊兵器対策オフィスにも、新たに4億2930万ドルの予算がつけられている(関連記事は、こちら)。

FY2019 Health Security Funding Outlook: Quick Take Based on President’s Budget Request

Johns Hopkins Tuesday, February 14, 2018

http://www.bifurcatedneedle.com/

米・FDA、天然痘の治療薬を優先レビューに指定

米・食品医薬品局(FDA)は、天然痘の治療薬、TPOXXを優先レビューに指定した。TPOXXは、経口投与の抗ウイルス薬である。優先レビューに指定されると、医薬品の承認プロセスが優先的に進められることになる。TPOXXは、FDAのアニマルルールに基づいて、開発された。

現在のところ、FDAの承認を受けた天然痘の治療薬はない。米・生物医学先端研究開発局(BARDA)は、まだ承認を受けていないTPOXXを200万人分購入し、戦略的国家備蓄(SNS)に備蓄している。

Treatment for Smallpox Gets FDA Priority Review

MPR Wednesday, February 7, 2018

https://www.empr.com/drugs-in-the-pipeline/smallpox-tpoxx-tecovirimat-siga-barda/article/742601/

馬痘ウイルスの人工合成についての論文

メールオーダーのDNA断片を用いて、天然痘ウイルスと近縁の馬痘(horse pox)ウイルスを人工的に合成する研究についての論文が、PLoS Oneに掲載されている。PLoS Oneは、研究がもたらす利益がリスクを上回ると説明している。今回の論文の掲載は、デュアル・ユース問題についての新たな懸念を示すものとして、多くのメディアで取り上げられている。

Step-by-step horsepox study stokes dual-use controversy

CIDRAP Tuesday, January 23, 2018

http://www.cidrap.umn.edu/news-perspective/2018/01/step-step-horsepox-study-stokes-dual-use-controversy

Horsepox Research Accentuates Urgency for Global Action to Reduce Biological Risks

NTI Monday, January 22, 2018

http://www.nti.org/analysis/atomic-pulse/horsepox-research-accentuates-urgency-global-action-reduce-biological-risks/

The Synthesis of Horsepox Virus and the Failure of Dual-use Research Oversight

The Pandora Report Saturday, January 20, 2018

https://pandorareport.org/2018/01/20/the-synthesis-of-horsepox-virus-and-the-failure-of-dual-use-research-oversight/

A Paper Showing How to Make a Smallpox Cousin Just Got Published. Critics Wonder Why

Science Friday, January 19, 2018

http://www.sciencemag.org/news/2018/01/paper-showing-how-make-smallpox-cousin-just-got-published-critics-wonder-why

 

米・IARPA、次世代の研究開発のための助成金を支給

米・インテリジェンス先端研究プロジェクト活動(IARPA:Intelligence Advanced Research Projects Activity)は、バテル記念研究所やハーバード大学など5つの研究機関に次世代の計算および生物情報学の技術の研究開発を行うための助成金を支給する。新しい技術は、機能に基づく脅威の特性評価や未知の核酸配列が提示するリスクについての理解を深めることを通じて、バイオディフェンスの能力を向上させるためのものである。

IARPA Awards Contracts to Develop Fun GCAT Biosecurity Tools

Global Biodefense Monday, January 15, 2018

https://globalbiodefense.com/2018/01/15/iarpa-awards-contracts-to-develop-new-biosecurity-tools/

野兎病ワクチン ATI-1701の研究開発

Appili Therapeutics社は、野兎病ワクチン ATI-1701の臨床前および臨床検査を行うための契約をカナダ国立研究機関(National Research Council of Canada:NRC)と結んだ。野兎病菌(tularemia)は、バイオテロに用いられる可能性が高い病原体として知られている。

ENTREVESTOR: Halifax Firm, NRC Look to Develop Bioweapon Vaccine

Herald Business Monday, January 8, 2018

http://thechronicleherald.ca/business/1534935-entrevestor-halifax-firm-nrc-look-to-develop-bioweapon-vaccine

北朝鮮の兵士の血中から炭疽の抗体が見つかる

2017年、北朝鮮から韓国に脱出した兵士の血中に炭疽の抗体があることが明らかとなった。その兵士が、炭疽菌に暴露されたのか、ワクチンを接種したのかは、まだ特定されていない。韓国政府は、北朝鮮が炭疽菌を用いて生物兵器を開発している可能性があるとして、警戒を強めている。

Understanding North Korea’s Biological Weapons Potential

Tracking Zebra Friday, December 29, 2017

http://www.trackingzebra.com/new-blog/2017/12/29/understanding-north-koreas-biological-weapons-potential

North Korea Soldier Found to Have Anthrax Antibodies

UPI Tuesday, December 26, 2017

https://www.upi.com/Top_News/World-News/2017/12/26/Report-North-Korea-soldier-found-to-have-anthrax-antibodies/7791514299323/