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第4回研究会動画:演題4「生命科学のデュアルユース性ー ゲノム合成など新たな技術の評価」
第4回バイオセキュリティ研究会
演題4:生命科学のデュアルユース性ー ゲノム合成など新たな技術の評価
四ノ宮成祥 防衛医科大学校分子生体制御学講座 教授
海上自衛隊医官として勤務後、防衛医科大学校・生物学助教授、同・微生物学助教授を経て、2007年から現職。医師、博士(医学)。専門は、微生物・免疫学、分子腫瘍学、潜水・高圧医学、バイオセキュリティ。
「ゲノムを人工合成することにより微生物を作成する」という概念は以前よりあったが、DNA合成及びassembly技術の向上により急速にその応用例が増えている。2002年の感染性ポリオウイルスの人工合成に初めて使われたこの技術は合成生物学(synthetic biology)と呼ばれ、今ではウイルス作成のみならず、細菌や酵母の領域にまで技術革新が及んでいる。その一方で、既に撲滅された病原体の人工合成の可能性など、倫理的に問題となる研究課題もいくつか議論されるようになっている。ここでは、これらの問題のこれまでの経緯と今後の考え方について議論する。
第4回研究会動画:冒頭ご挨拶&演題3「公衆衛生とセキュリティの連携強化に向けて」
去る7月25日に第4回バイオセキュリティ研究会を開催しました。
いくつかの動画をアップいたします。
主催者挨拶より
演題3:公衆衛生とセキュリティの連携強化に向けて
齋藤智也 国立保健医療科学院健康危機管理研究部 上席主任研究官
慶應義塾大学医学部熱帯医学・寄生虫学助教、同大グローバルセキュリティ研究所研究員を経て、2011年より厚生労働技官。厚生労働省健康危機管理対策室国際健康危機管理調整官、結核感染症課課長補佐を経て、2014年4月より現職。
生物テロのような意図的な要素を含むアウトブレイクへの事前準備(preparedness)や対処には、感染症に対する公衆衛生対応能力のみならず、セキュリティ部局との連携が重要になる。現在のグローバルな問題認識について概説する。
第3回バイオセキュリティ研究会の動画を一部公開
昨日(7/13)に開催した第3回バイオセキュリティ研究会の動画を一部公開いたします。
主催者挨拶
演題1「バイオセキュリティと求められる人材像」
国立保健医療科学院健康危機管理研究部 齋藤智也
第1回バイオセキュリティ研究会動画を一部公開
主宰者挨拶及び演題1「バイオセキュリティのランドスケープ」の録画が視聴可能になりました。
演題1:バイオセキュリティのランドスケープ
齋藤 智也
国立保健医療科学院健康危機管理研究部 上席主任研究官
「バイオセキュリティ」という言葉は文脈によって様々な意味で使われている。生物学的脅威から何を守るのか、発生の文脈、対策のフェーズの三要素から意図するところを推測する必要がある。脅威の対象も時代とともに変化する。日本では、生物テロ対策から新型インフルエンザ対策、国際感染症対策へと関心が移ってきたが、ここ30年は公衆衛生側が主導してきた。一方、グローバルな視点では、公衆衛生側と安全保障側の取組みが共に接点を求めて、大きくランドスケープが変化しており、双方の視点から感染症脅威への対処フレームワークを理解する必要がある。また、紛争研究としての視点からバイオセキュリティの問題に言及する。
演題4「デュアルユースが懸念される研究と教育」の録画が視聴可能になりました。
演題4 デュアルユースが懸念される研究と教育
四ノ宮 成祥
防衛医科大学校 分子生体制御学講座 教授
生命科学の進展に伴い、旧来の枠組みで考えられていた生物剤危険性の構図は大きく塗り替えられようとしている。遺伝子工学技術は微生物に人為的な可塑性を与えてきたが、近年の合成生物学や逆遺伝学の技術発展は単純なRisk-Benefit解析では解決できない機能獲得研究(Gain of Function Research)という新たな命題を我々に投げかけている。また、急速に研究が加速しているゲノム編集技術も、デュアルユース性を考慮せざるを得ない倫理的問題がすぐ目の前に提示されている。本講演では、これらの問題の概略を示しつつ、研究者教育など問題解決に向けていくつか考慮すべき命題に言及する。