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BWCMXの話題から:中国の生命科学のデュアルユース性に関する取り組み

中国が、国内の生命科学研究や関連企業の急速な発展を背景に、デュアルユース性という問題に対しても取り組みを進めている。生物兵器禁止条約の枠組みの中では、2015年から生命科学者向けの行動規範モデルの提唱に取り組んでおり、今回の専門家会合では、サイドイベントも主催し、その取り組みが紹介された。

Side Event
Friday 10  August
13.00 – 15.00
China
Development of a Model Code of Conduct for Biological Scientists
Speakers:
Professor Weiwen Zhang, Tianjin University
Dr. Yang Xue, Tianjin University
Professor Malcom Dando, University of Bradford
Jacobus van der Bruggen, Royal Netherlands Academy of Sciences

 

BWCMXの話題から:英国の海外公衆衛生緊急派遣チーム(The UK Public Health Rapid Support Team)の紹介

イギリスは2016年秋に、海外公衆衛生緊急派遣チーム(The UK Public Health Rapid Support Team:The UK-PHRST)を英国政府の出資で設立した。イングランド公衆衛生庁(Public Health England)とロンドン大学衛生熱帯医学大学院(the London School of Hygiene & Tropical Medicine)が共同で運営し、オックスフォード大学とロンドン・キングスカレッジがアカデミックパートナーとなっている。被災国やWHO GOARN等の派遣要請に基づき、48時間以内に現地に派遣されるという。


the UK Public Health Rapid Support Team by Public Health England on Exposure

生物兵器禁止条約専門家会合でのプレゼン(外部リンク)

BWCMXの話題から:生物兵器禁止条約専門家会合でポスター発表を行いました

去る8月7日から16日にかけて行われた、生物兵器禁止条約専門家会合のポスターセッションで、当研究班の活動報告を行いました。バイオセキュリティ研究会を通じての様々なバックグラウンドの関係者によるバイオセキュリティの議論の基盤形成の取り組みを紹介しました。

BWCMXの話題から:バイオテロ(意図的生物剤散布)に対する対応のステークホルダーマッピング

米・ジョージタウン大学が作成するウェブサイトDeliberate Biological Event Stakeholdersを紹介する。意図的に生物剤が散布された場合の対応のステークホルダーとその役割、対応のベースとなる文書、支援の要請メカニズムが対応フェーズに併せてインタラクティブなウェブサイトで図示されている。秀逸なステークホルダーマッピングである。

 

生物兵器禁止条約専門家会合(BWCMX)が開催中

昨年度の生物兵器禁止条約締約国会合における新たな合意により、生物兵器禁止条約専門家会合が再開され、次回運用検討会議が開催される2021年までの2018~2020年に、毎年8日間開催することとなった。今年は今月7日から16日まで以下の議題で行われており、本研究班からも四ノ宮防衛医科大学校防衛医学研究センター長と齋藤が出席し、口頭発表他ポスター発表を実施した。

議題

MX1 国際協力(7~8日)
MX2 科学技術の進展レビュー(9~10日)
MX3 国内実施の強化(13日)
MX4 防護支援(14~15日)
MX5 条約の制度的強化(16日)

四ノ宮先生の発表

参考ウェブサイト

ワーキングペーパー等資料 (BWC ISUのウェブサイト)
会議の中継・録画 (UN Web TV)
NGOのBWPPが発行する会議レポート

 

第4回研究会動画:演題4「生命科学のデュアルユース性ー ゲノム合成など新たな技術の評価」

第4回バイオセキュリティ研究会

演題4:生命科学のデュアルユース性ー ゲノム合成など新たな技術の評価
四ノ宮成祥 防衛医科大学校分子生体制御学講座 教授

海上自衛隊医官として勤務後、防衛医科大学校・生物学助教授、同・微生物学助教授を経て、2007年から現職。医師、博士(医学)。専門は、微生物・免疫学、分子腫瘍学、潜水・高圧医学、バイオセキュリティ。

「ゲノムを人工合成することにより微生物を作成する」という概念は以前よりあったが、DNA合成及びassembly技術の向上により急速にその応用例が増えている。2002年の感染性ポリオウイルスの人工合成に初めて使われたこの技術は合成生物学(synthetic biology)と呼ばれ、今ではウイルス作成のみならず、細菌や酵母の領域にまで技術革新が及んでいる。その一方で、既に撲滅された病原体の人工合成の可能性など、倫理的に問題となる研究課題もいくつか議論されるようになっている。ここでは、これらの問題のこれまでの経緯と今後の考え方について議論する。

 

第4回バイオセキュリティ研究会 アンケート結果

第4回のバイオセキュリティ研究会の実参加者数は68名でした。うち、50名にアンケートにご回答いただきました(回答率74%)。ありがとうございました。アンケートの集計とコメントの一部を紹介させていただきます。

参加者の内訳

所属先と主とする専門領域(複数回答可)

 

演題1 生物兵器禁止条約の議論の進展

感想・コメント等

  • BTWCの経緯と現状、また問題点について分かり易かった。
  • 日本のポジション、貢献について理解
  • 丁寧で分かり易く、良い導入となりました。
  • 昨今のBWCに対する取り組みを確認できて良かったです。昨年も本研究会に参加させていたのですが、引き続き関心を持って勉強していきます。
  • 全般的に内容が濃く有意義であった。
  • BWCのHistoryが分かった
  • 包括的でわかりやすかった。本分野の日本の取り組みについて、もっと紹介してほしい。

演題2:国家主体(北朝鮮を含む)およびテロ組織による生物兵器計画

感想・コメント等

  • 核・ミサイルを事例としたDual use性が既存の条約枠組みでは管理困難になっていることを理解
  • メディアやネットからは知り得ない内容で勉強になった。
  • 北朝鮮の生物兵器に関する興味があったので参考になりました。スライド数に比し進行が早かったので、もう少しゆっくり確認したかったです。時間の都合の中まとめていただいた点はありがとうございました。
  • 大変興味深い発表で勉強になりました
  • 具体例が多くあり、実務観点も散りばめられており業務の参考になった。
  • 1と反対に話が分かりやすくかつ面白く、古川さんがこの問題を深く広く勉強していることが分かる。ご自分のアタマで考えているから本質がつける。
  • 極めて解り易く有意義であった。
  • 汎用又は中古で行われている技術であることわかりました。
  • 少し前の技術でもWMDを作るには非常にusefulであることがわかった
  • 特別な技術ではなく、デュアルユース性の高い身近な技術のリスク管理が重要というメッセージが明確で、事例紹介も多く非常に説得力があった。

演題3:公衆衛生とセキュリティの連携強化に向けて

感想・コメント等

  • 我が国の不得意なタテ割り解消に関する各国の取り組みとTTX型の演習は早急に導入すべきと感じた
  • 内容は良かったのですが、パワポの字が小さかったので、次回からはもう少し大きい字で作成してください。
  • 米国の取組がとても勉強になりました。
  • 医学者としてかつ危機管理の実務家として非常に現実的な議論を展開され、現状への問題提起も非常に明確。こういう方が、内閣官房参与として総理や官房長官にアドバイスしてくれたら…と思う。
  • 貴重かつ重要な話で有意義であった。
  • IHRのJEEがバイオテロも視野に入れていることは知らなかった。
  • 連携するための課題が理解できた
  • 米国の取り組み(ワークショップ)が興味深かった。日本の法執行機関側からも話を聞きたい。

演題4:生命科学のデュアルユース性ー ゲノム合成など新たな技術の評価

感想・コメント等

  • 合成生物学という新しい分野の変遷とDual-use性の捉え方について把握できた。具体例が参考になった。
  • もっと最後まで聞きたかったです。
  • 第2回の研究会の際にも先生の講義を聞かせていただき、大変勉強になりました。別の会議でDIYバイオについて触れたところで、詳しく学べて良かったです。
  • 最先端のバイオテクノロジーの進化と、巨大な危険性につき分かりやすく解説。「便利なモノは危ない」を実感した。
  • とても解り易く、貴重な話で有意義であった。
  • バイオ技術の表面と裏面(悪用の可能性)よくわかりました。
  • Dual Useの問題がわかった
  • 専門的な話を非常にわかりやすく説明してもらった。リスク評価手法(判断のクライテリア等)をもう少し詳しく知りたい。

演題5:ゲノムスケールDNA合成技術によるセーフティとセキュリティの向上

感想・コメント等

  • セキュリティ技術(遺伝暗号)を遺伝子レベルで組み込む発想は今後の軍備管理、テロ対策枠組みに重要と感じた。
  • 専門的で面白かったです。
  • 最先端の生物工学に関する内容で大変勉強になりました。情報工学の発展も学校で体験しながら学生生活を送ってきたので、講義中の比喩がとても分かり易かったです。
  • できれば、セーフティとセキュリティに焦点が当たると良いが興味深かった
  • 専門の分野、今後の技術予測を、一般に分かり易く説明いただき、理解が進んだ。
  • 難解だが、現在の生物工学の一端に触れていただき、高速・高度な進展があることが理解できた。
  • とても興味深い話で貴重な講話であった。
  • すごくわかりやすい説明で、技術の進展が興味深いです。
  • 合成生物学によってRisk管理できることがわかった
  • 制度や教育だけでなく、技術的に安全・セキュリティを担保する取り組みも重要であることがわかる。難しい技術を平易な言葉で説明しており、わかりやすかった。

研究会全体について

 

 

 

感想・コメント等

  • 有意義なセミナーをありがとうございました。今後も御活躍下さい。
  • 全て非常に興味深いテーマでした。
  • 会場の足元が揺れたのが気になりました。コーヒーサービス良かったです。
  • 大変勉強になりました。また参加したいです。時期が一定で
  • BWCのその後についてもよろしくお願いします。
  • それぞれにメッセージがあって良かったです。
  • 今までの所、BWCの支点でリスクを下げる又は検出する手法がない。関係者が情報を共有して考えるきっかけを与えるという意味でこの会は重要だと思います。
  • 非常に刺激的で勉強になりました。
  • とても良い勉強になりました。誠に有難うございました。
  • 機微な貴重な講話であり、非常に有意義なものであった。
  • 各発表者の説明うまいです。
  • 大変勉強になりました。
  • ぜひ今後も継続してほしい。パネルディスカッション、バイオセキュリティのTable top Exercise等も関心がある。

第4回研究会動画:冒頭ご挨拶&演題3「公衆衛生とセキュリティの連携強化に向けて」

去る7月25日に第4回バイオセキュリティ研究会を開催しました。

いくつかの動画をアップいたします。

主催者挨拶より

演題3:公衆衛生とセキュリティの連携強化に向けて
齋藤智也 国立保健医療科学院健康危機管理研究部 上席主任研究官

慶應義塾大学医学部熱帯医学・寄生虫学助教、同大グローバルセキュリティ研究所研究員を経て、2011年より厚生労働技官。厚生労働省健康危機管理対策室国際健康危機管理調整官、結核感染症課課長補佐を経て、2014年4月より現職。

生物テロのような意図的な要素を含むアウトブレイクへの事前準備(preparedness)や対処には、感染症に対する公衆衛生対応能力のみならず、セキュリティ部局との連携が重要になる。現在のグローバルな問題認識について概説する。

 

第4回バイオセキュリティ研究会の詳細に関するご案内

第4回バイオセキュリティ研究会のプログラム詳細をご案内いたします。
< 参加申し込みはこちらからお願いします >

日時と場所

平成30年7月25日(水)13:30~17:00
場所:AP新橋虎ノ門 会議室
東京都港区西新橋1丁目6番15号NS虎ノ門ビル11階C+D

プログラム

13:30 開会

演題1:生物兵器禁止条約の議論の進展

礒崎恒明 外務省軍縮不拡散・科学部生物・化学兵器禁止条約室長

慶應義塾大学法学部卒業後,防衛庁(現防衛省)に入庁。防衛局調査第二課,内閣府国際平和協力本部,内閣官房副長官補付,白書作成準備室,陸自北部方面総監部,米国戦略国際問題研究所(CSIS),防衛政策局防衛政策課等を経て,2016年3月から現職。

生物兵器の開発・生産・貯蔵及びすでに保有する生物兵器の廃棄を目的とする生物兵器禁止条約に関し,昨今の活動状況と,2018年専門家会合で協議される5つの議題に関する最近の議論及び我が国の立場を説明する。

演題2:国家主体(北朝鮮を含む)およびテロ組織による生物兵器計画

古川勝久 国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会(1718委員会)専門家パネル元委員

1990年慶應義塾大学経済学部卒業。日本鋼管株式会社勤務後、1993年より平成維新の
会事務局スタッフとして勤務。1998年米国ハーバード大学ケネデイ政治行政大学院
(国際関係論・安全保障政策)にて修士号取得。米国アメリカンエン
タープライズ研究所アジア研究部勤務、米国外交問題評議会アジア安全保
障部研究員、モントレー国際問題研究所研究員、科学技術振興機構社会技術研究開発センター主任研究員を経て、国連安全保障理事会・北朝鮮制裁委員会(1718委員会)専門家パネル元委員(2011.10-2016.4)を務めた。

演題3:公衆衛生とセキュリティの連携強化に向けて

齋藤智也 国立保健医療科学院健康危機管理研究部 上席主任研究官

慶應義塾大学医学部熱帯医学・寄生虫学助教、同大グローバルセキュリティ研究所研究員を経て、2011年より厚生労働技官。厚生労働省健康危機管理対策室国際健康危機管理調整官、結核感染症課課長補佐を経て、2014年4月より現職。

生物テロのような意図的な要素を含むアウトブレイクへの事前準備(preparedness)や対処には、感染症に対する公衆衛生対応能力のみならず、セキュリティ部局との連携が重要になる。現在のグローバルな問題認識について概説する。

15:20-15:35 休憩

演題4:生命科学のデュアルユース性ー ゲノム合成など新たな技術の評価

四ノ宮成祥 防衛医科大学校分子生体制御学講座 教授

海上自衛隊医官として勤務後、防衛医科大学校・生物学助教授、同・微生物学助教授を経て、2007年から現職。医師、博士(医学)。専門は、微生物・免疫学、分子腫瘍学、潜水・高圧医学、バイオセキュリティ。

「ゲノムを人工合成することにより微生物を作成する」という概念は以前よりあったが、DNA合成及びassembly技術の向上により急速にその応用例が増えている。2002年の感染性ポリオウイルスの人工合成に初めて使われたこの技術は合成生物学(synthetic biology)と呼ばれ、今ではウイルス作成のみならず、細菌や酵母の領域にまで技術革新が及んでいる。その一方で、既に撲滅された病原体の人工合成の可能性など、倫理的に問題となる研究課題もいくつか議論されるようになっている。ここでは、これらの問題のこれまでの経緯と今後の考え方について議論する。

演題5:ゲノムスケールDNA合成技術によるセーフティとセキュリティの向上

木賀大介 早稲田大学理工学術院 教授

東京大学理学部卒、同大学院博士(理学)。科学技術振興事業団横山情報分子プロジェクト研究員、理化学研究所ゲノム科学総合研究センターリサーチアソシエイト、東京大学大学院総合文化研究科 助手、東京工業大学助教授・准教授を経て2016年から現職。専門は合成生物学、生物物理学、生化学

社会実装を目標とする新技術分野は、新たなリスクを生じうると同時に、新たな安全性向上技術の開発にもつながる。実際、ゲノム合成を含む合成生物学分野においてもこれらの点に関する議論や技術開発が分野の黎明期から進んでいる。改変微生物が目的を果たしたのちに死滅する、というkill switchの開発も安全性向上技術の一例である。最近では、遺伝暗号の改変に基づいた、より多様な安全性向上技術のproof of principleが示されている。これらの安全性向上技術を用いてもリスクがゼロになることは無いことを前提としたうえで、いくつかの研究では定量的なリスクの軽減が議論されていることは注目に値する。ゲノム合成の国際コンソーシアムにおける議論と合わせ、合成生物学による安全性向上と安心の伝達について本発表での紹介を行い、今後の分野展開の基盤となる議論の材料としたい。

17:00 終了予定

参加申し込み

申し込みはこちらからお願いします。

アクセスできない場合は、ご所属、氏名を添えて以下のアドレスにメールでお申し込みください。
seminar(アットマーク)biosecurity.jp ( (アットーマーク)を@に変えて送信してください)

定員(90名)に達し次第締め切ります。
申し込み期限: 平成30年7月23日月曜日

講演については演題や演者を予告なく変更する場合があります。

各国の感染症流行対応能力を一覧化するウェブサイトが開設される

前CDC所長のTom Frieden博士が率いる団体”Resolve to Save Lives”が、世界の感染症流行対策の状況が地図上で色分けされたオンラインマップを公開した。近年世界中で行われている合同外部評価(JEE)のスコアを活用して各国の体制を色分けしている。また、世界保健機関(WHO)が進める国際保健規則(IHR)に基づくコア・キャパシティの形成状況に関する取り組みの実施・達成状況が国別にひと目で分かるようになっている。

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