カテゴリー別アーカイブ: emerging diseases

米国、国家バイオディフェンス戦略を公表

米国が国家バイオディフェンス戦略(National Biodefense Strategy)を公表した。意図的な発生に限らず、自然発生、ラボの事故による病原体の流出によるアウトブレイク対処を念頭に、また、対象はヒトに限らず、動物・植物を含み、様々な関係機関が関与する計画となっている。また、ホワイトハウスには、アウトブレイク発生時の調整を行うSteering committeeを設置し、保健福祉省が主導するとしている。今回のNational Biodefense StrategyもHHS長官が公表を行なっている。

英国でサル痘 (monkeypox)輸入症例2例の報告

英国で、ナイジェリアからのサル痘の輸入症例が9月に2例発見され、詳細がEurosurveillance誌に報告されている。

ヒトからヒトへの感染性は弱いとされるが、接触者には天然痘ワクチンの接種が行われている(天然痘ワクチンとして利用されるワクチニアウイルスワクチンは、同じオルソポックス属ウイルスであるサル痘にも防御効果があるとされている)。欧州で承認されているMVA-BNワクチンをオフラベル使用しているとの記述がある。

https://www.eurosurveillance.org/content/10.2807/1560-7917.ES.2018.23.38.1800509

 

BWCMXの話題から:英国の海外公衆衛生緊急派遣チーム(The UK Public Health Rapid Support Team)の紹介

イギリスは2016年秋に、海外公衆衛生緊急派遣チーム(The UK Public Health Rapid Support Team:The UK-PHRST)を英国政府の出資で設立した。イングランド公衆衛生庁(Public Health England)とロンドン大学衛生熱帯医学大学院(the London School of Hygiene & Tropical Medicine)が共同で運営し、オックスフォード大学とロンドン・キングスカレッジがアカデミックパートナーとなっている。被災国やWHO GOARN等の派遣要請に基づき、48時間以内に現地に派遣されるという。


the UK Public Health Rapid Support Team by Public Health England on Exposure

生物兵器禁止条約専門家会合でのプレゼン(外部リンク)

各国の感染症流行対応能力を一覧化するウェブサイトが開設される

前CDC所長のTom Frieden博士が率いる団体”Resolve to Save Lives”が、世界の感染症流行対策の状況が地図上で色分けされたオンラインマップを公開した。近年世界中で行われている合同外部評価(JEE)のスコアを活用して各国の体制を色分けしている。また、世界保健機関(WHO)が進める国際保健規則(IHR)に基づくコア・キャパシティの形成状況に関する取り組みの実施・達成状況が国別にひと目で分かるようになっている。

ReadyScore Map

 

Global Health Security 2019 演題募集開始

来年6月にシドニーで開催される国際会議”Global Health Security 2019″の演題募集が開始した。

以下のテーマの演題募集が行われている。

Themes

The Program Committee invites abstracts in the following themes;

  1. Health Emergencies: Preparedness & Management
    1. Surveillance and outbreak response
    2. Health crises & disasters
    3. International Health Regulations
  2. Emerging Threats & Challenges
    1. Antimicrobial resistance
    2. Zoonotic pathogens
    3. Gain-of-function/deliberate events
  3. Partnerships for Global Health Security
    1. Global health & the private sector
    2. Security sector engagement
    3. Civil society participation
  4. Governance & Financing for Global Health Security
    1. Sustainable financing for global health security
    2. Institutional innovation
    3. Health system strengthening & resilience
  5. New Technologies & Approaches for Global Health Security
    1. Biotechnology
    2. Medical countermeasures
    3. Non-clinical interventions

 

米保健福祉省、高度感染性疾患の患者搬送演習を実施

米保健福祉省は、4月12日〜13日に感染性患者の大規模移動演習を実施した。以前に西アフリカからの患者移送演習も行われているが、今回は米国内で小児を含む7人のエボラ出血熱様の患者を搬送する訓練が行われた。検体の輸送、診断も併せて行われている。

HHS sponsors its largest exercise for moving patients with highly infectious diseases 

Clade X: パンデミック演習

米国ジョンズホプキンス大学ヘルスセキュリティセンターが、ハイレベルの戦略的意思決定をテストするためのパンデミック演習Clade Xを5月15日に実施する。同センターは過去にもDark Winter やAtlantic Stormといった同様の演習を行ってきており、政府高官経験者らがプレーヤーとして参加している。演習の模様は、Facebook動画でも視聴可能である。

 

ナイジェリアでのサル痘アウトブレイクの報告

Emerging Infectious Disease誌にナイジェリアでの1978年以来のサル痘アウトブレイク事例が報告されている。14州から146例の疑い例と42例の確定例が報告されている。特徴的な皮疹の写真も掲載されている。

Ahead of Print -Reemergence of Human Monkeypox in Nigeria, 2017 – Volume 24, Number 6—June 2018 – Emerging Infectious Disease journal – CDC https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/24/6/18-0017_article

 

米・トランプ政権、国家安全保障戦略を発表

米・トランプ政権は、国家安全保障戦略(NSS)を発表した。NSSは、意図的、偶発的、あるいは自然発生的な感染症のアウトブレイクの脅威が高まっていると指摘している。その脅威を低減するための優先行動として、発生源における生物学的脅威の検知および封じ込め、生物医学イノベーションのサポート、緊急時対応の改善の3つを挙げている。

A New National Security Strategy for a New Era

The White House Monday, December 18, 2017

https://www.whitehouse.gov/articles/new-national-security-strategy-new-era/

米・CDC、GHSAに貢献するための活動

米・疾病対策予防センター(CDC)は、グローバル・ヘルス・セキュリティ・アジェンダ(Global Health Security Agenda:GHSA)に貢献するための活動を17の国で行っている。その活動についての記事が、Emerging Infectious Diseasesに掲載されている。GHSAは、国際保健規則(International Health Regulations:IHR)に基づいてキャパシティ・ビルディングを促進するための国際的なイニシアチブである。

Contributions of the US Centers for Disease Control and Prevention in Implementing the Global Health Security Agenda in 17 Partner Countries

Emerging Infectious Diseases, November, 2017

https://wwwnc.cdc.gov/eid/article/23/13/17-0898_article