第4回研究会動画:演題4「生命科学のデュアルユース性ー ゲノム合成など新たな技術の評価」

第4回バイオセキュリティ研究会

演題4:生命科学のデュアルユース性ー ゲノム合成など新たな技術の評価
四ノ宮成祥 防衛医科大学校分子生体制御学講座 教授

海上自衛隊医官として勤務後、防衛医科大学校・生物学助教授、同・微生物学助教授を経て、2007年から現職。医師、博士(医学)。専門は、微生物・免疫学、分子腫瘍学、潜水・高圧医学、バイオセキュリティ。

「ゲノムを人工合成することにより微生物を作成する」という概念は以前よりあったが、DNA合成及びassembly技術の向上により急速にその応用例が増えている。2002年の感染性ポリオウイルスの人工合成に初めて使われたこの技術は合成生物学(synthetic biology)と呼ばれ、今ではウイルス作成のみならず、細菌や酵母の領域にまで技術革新が及んでいる。その一方で、既に撲滅された病原体の人工合成の可能性など、倫理的に問題となる研究課題もいくつか議論されるようになっている。ここでは、これらの問題のこれまでの経緯と今後の考え方について議論する。