第1回バイオセキュリティ研究会動画を一部公開

主宰者挨拶及び演題1「バイオセキュリティのランドスケープ」の録画が視聴可能になりました。

演題1:バイオセキュリティのランドスケープ
齋藤 智也
国立保健医療科学院健康危機管理研究部 上席主任研究官

「バイオセキュリティ」という言葉は文脈によって様々な意味で使われている。生物学的脅威から何を守るのか、発生の文脈、対策のフェーズの三要素から意図するところを推測する必要がある。脅威の対象も時代とともに変化する。日本では、生物テロ対策から新型インフルエンザ対策、国際感染症対策へと関心が移ってきたが、ここ30年は公衆衛生側が主導してきた。一方、グローバルな視点では、公衆衛生側と安全保障側の取組みが共に接点を求めて、大きくランドスケープが変化しており、双方の視点から感染症脅威への対処フレームワークを理解する必要がある。また、紛争研究としての視点からバイオセキュリティの問題に言及する。

 

演題4「デュアルユースが懸念される研究と教育」の録画が視聴可能になりました。

演題4 デュアルユースが懸念される研究と教育
四ノ宮 成祥
防衛医科大学校 分子生体制御学講座 教授

生命科学の進展に伴い、旧来の枠組みで考えられていた生物剤危険性の構図は大きく塗り替えられようとしている。遺伝子工学技術は微生物に人為的な可塑性を与えてきたが、近年の合成生物学や逆遺伝学の技術発展は単純なRisk-Benefit解析では解決できない機能獲得研究(Gain of Function Research)という新たな命題を我々に投げかけている。また、急速に研究が加速しているゲノム編集技術も、デュアルユース性を考慮せざるを得ない倫理的問題がすぐ目の前に提示されている。本講演では、これらの問題の概略を示しつつ、研究者教育など問題解決に向けていくつか考慮すべき命題に言及する。