米・国防大学の大量破壊兵器研究センターは、「ソ連の生物兵器プログラムと現在のロシアにおけるその遺産(The Soviet Biological Weapons Program and Its Legacy in Today’s Russia)」と題するレポートを公開した。冷戦時代、ソ連で、大規模な生物兵器の開発が行われていたことが、米国に亡命した科学者の証言などから明らかとなっている。
1992年、エリツィン元ロシア大統領は、ソ連が、生物兵器禁止条約に違反して、生物兵器の研究開発を行っていたことを認めた。その後、ロシア、米国および英国が出した共同宣言のなかで、ロシアは、欧米諸国による生物兵器施設へのアクセスを約束していた。しかし、その約束は、未だ果たされていない。
現在のプーチン政権では、ソ連は、生物兵器禁止条約に違反する生物兵器の開発を行っていなかったという立場がとられている。レポートでは、現在も、ロシアで生物兵器の研究開発が行われている可能性について言及されている。
The Soviet Biological Weapons Program and Its Legacy in Today’s Russia
National Defense University Press Monday, July 18, 2016